THEM 「評価 C」
東南アジアのバン・タオ島では、殺人アリの大量発生によって多くの住民が死亡する騒動が発生していた。蟻退治の専門家レンは部下たちを率いて事態の収拾に乗り出すが、どういうわけか蟻たちは火に近寄らないなど異様なまでの知性を有しており、駆除作業は困難を極めた。とそんな中、レンは何万もの蟻たちが集まって触手のような形状になっているのを発見する。島の蟻たちは大量に集まることで、1つの知能を持った個体を形成していたのだ。レンはこの巨大な個体とコンタクトを試みたところ、個体は「島を渡せ」と要求してきた…。
何億もの蟻の群れが島を恐怖に陥れる、ロバート・ハルミJr製作総指揮のSFモンスター映画。兎にも角にも無数の蟻たちによる災害描写が圧巻な作品で、蟻の大群に襲われて人間が白骨化していく冒頭の場面でいきなり度肝を抜かされる。その後も天井から降ってきた何万もの蟻に全身を覆い尽くされたり、大地を覆う蟻の群れが島の生物を瞬く間に白骨に変えていったりと、「黒い絨毯」の正当進化とも言える壮絶なスペクタクル描写が映画の随所に織り込まれているのだ。それに対抗するレンたち蟻退治会社の面々も、殺虫剤をレーザーのように放つスプレー銃や、蟻たちの侵入を阻む電磁バリアなど、やたらとSFチックな兵器の数々を駆使してくれるものだから楽しくてしょうがない。肝心のクライマックスの展開が肩透かしもいいところだったので評価は大分下がってしまったが、「黒い絨毯」の災害描写が好きならば観ておいて損はないだろう。
ちなみに本作、「ショック!生きていた怪獣ガーゴイルズ」のビル・L・ノートンが1996年に監督した、同名のSFサスペンス映画とは一切関係がない。
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