ダイナソーフィールド SATSURIKUSHA 「評価 B」
未だ美しい自然が残されている、南海の火山島。ここは人間に害をもたらす生物がいないため、毎年多くの観光客が訪れ、バカンスを楽しんでいた。ところがある時、そんな楽園を破壊する存在が現れた。恐竜のDNAと掛け合わせて作られた巨大ワニ“スーパーゲイター”が、科学者キムの元を逃げ出して島に棲みついてしまったのだ。スーパーゲイターは島の安全を信じて疑わない観光客たちを、その巨大な体躯で次々と血祭りにあげていく。たまたま島の調査に来ていた火山学者のスコットたちは、このスーパーゲイターの存在を知り、何とか退治しようと目論むが…。
遺伝子操作で生み出された巨大ワニが南国を血に染める、ロジャー・コーマン製作総指揮のモンスターパニック映画。前半部分で散々煽られていた火山噴火の危機が「実は噴火しませんでした」で済まされたり、クライマックスの展開が「ショーを中止させようとする主人公と、話を聞こうとしない観光地のオーナー」という極めてありきたりなものだったりと、パニック映画としては不満が散見されたが、主役のスーパーゲイターは実に魅力に溢れていた。「ディノクロコ」を一段とシャープにしたような外見で、針のような背びれや高速走行を可能とする長い足が特徴的。そんな奴が美麗なVFXで、身体をくねらせながら水中から飛び上がったり、物凄いスピードで獲物を追いかけたりするものだから、ワニ映画好きとしては歓喜モノだった。また本作、徹底した殺戮描写も見所だ。襲うワニと襲われる人間を短いカットで交互に映していく──というよくある手法が使われているものの、本作はそのカット数がやたらと多い上、腕の断面やグチャグチャになった足をこれでもかと写してくれるため、痛々しさが伝わってくる仕上がりになっていたのだ。
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