リトル・モンスター        「評価 A」
近ごろ少年ブライアンの家では、毎晩のように何者かによるイタズラが発生していた。両親はそれをブライアンの仕業と見なして激しく叱るが、ブライアンに覚えはない。納得いかないブライアンは、弟のエリックに疑いを向ける。ところがそんなある晩、ベッドの下から青い肌のモンスター“モーリス”が姿を現した。こいつがブライアンの家にイタズラを仕掛けていたのだ。ファンキーな性格のモーリスとブライアンはたちまち仲良くなり、ベッドの下にあるモンスターの世界で楽しい一時を過ごす。この世界には「夜明けまでに帰らなければモンスターになってしまう」という制約があったが、ブライアンもそれをちゃんと守り、問題なく毎日を送っていた。しかしある時、エリックがモンスター世界の独裁者ボーイに誘拐されてしまった。このまま夜明けが来たら、弟の身体はモンスターになってしまう。ブライアンはモーリスや友人たちと協力し、エリックを助けるためにボーイの居城に乗り込んだ…。
「プレデター」で特殊効果を担当したリチャード・アラン・グリーンバーグが監督を務めた、ホラーコメディ映画。グロテスクながらも愛嬌のあるモンスターたちのデザインや、子供の秘密基地をまんま大きくしたような、トタン板やガラクタで構築されたモンスターの世界、そして大量のオモチャに溢れかえったボーイの城と、子供を惹きつけることに腐心した美術が印象的。脚本もブライアンとモーリスの友情を中心に上手くまとめられており、「日の出までに戻らなければならない」という設定を活かした終盤のどんでん返しも気が利いていた。幸せなその後を予感させるラストも後味がよく、ゴキゲンな気分にさせてくれる快作だった。
TOP PAGE