近未来戦士 テキサス2020年    「評価 C」
核戦争によって荒廃した未来。テキサスの砂漠では強き者たちが暴力によって弱者を虐げる、弱肉強食の社会が築かれていた。だがそんな中、ネクサス率いるレンジャー部隊は悪党たちの手から人々を救い出し、力なき者に希望の光をもたらしていたのだ。時は流れ、部隊を抜けたネクサスは妻子と共に、エネルギー・プラントで幸せな日々を過ごしていた。しかしある日、世界征服を企む黒の軍団がエネルギー・プラントへの侵略を開始した。ネクサスは他の住民らと共に決死の防戦をするが、軍団の兵たちは銃弾を防ぐ電磁シールドを所持しており、こちらの攻撃がまるで通じない。プラントは瞬く間に制圧され、最後まで抵抗したネクサスも無残に蜂の巣にされて息絶えた。その後、プラントの住民たちは黒の軍団の奴隷となり、長時間の強制労働に従事させられることに。それを知ったレンジャー部隊の面々はかつての仲間であるネクサスの遺志を受け継ぎ、インディアンたちの協力を得てプラントの解放に乗り出した…。
「世紀末戦士アトー 炎の聖剣」「核戦士シャノン」と並ぶ、「アマゾンの腹裂き族」のジョー・ダマト監督が80年代前半に量産した世紀末アクション映画の1本。まんま「マッドマックス」な基本設定に、「世紀末戦士アトー」では「コナン・ザ・グレート」的なヒロイック・ファンタジーが、「核戦士シャノン」では超能力が新たな要素として加味されていたのに対し、本作ではインディアンを登場させることで、他の作品との差別化が図られている。確かにハイテク兵器で武装した連中に対してインディアンたちが弓矢や槍で立ち向かう姿は、「電磁シールドは弾丸には有効だが、弓矢や槍ならば容易に貫通する」という理屈こそ分からなかったものの、ロマンに溢れており、十分な見所となり得ていた。
ストーリー面では、序盤でネクサスと他の隊員の絆を描けていないせいで、後半の復讐のカタルシスに欠けたのが残念。しかし映像の方では、派手なアクションも多く、ジョー・ダマトらしいエロシーンも結構充実していた。無数にある「マッドマックス」モドキ映画の中でも、そこそこ楽しむことができる作品だ。
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