壊滅大津波 「評価 D」
ニュージャージー州南部海岸で発生した巨大津波は、39名の死者を出す大惨事となった。人工津波について研究している科学者ジョンは、この津波が何者かの手によって人為的に起こされたものではないかと推理する。ところがそんな矢先、ジョンの目の前で同僚が刺殺され、ジョンはその容疑者にされてしまった。ジョンはFBIの追跡を掻い潜りながら、海洋学者ソフィーと共に津波の原因を突き止めようと奔走する。だがその間にもカナダ東部で、メーン州で、巨大津波が相次いで発生し甚大な被害をもたらした。果たして事件の黒幕は何者なのか…。
殺人の汚名を着せられた主人公が人工的に大津波を引き起こすテロ組織と戦う、「クラッシャー 大津波」のリメイク作。「合衆国壊滅」「壊滅暴風圏」シリーズと同様、日活からリリースされている災害を扱った大長編TVムービーの1本だが、本作は先に挙げた2シリーズとは異なり、パニック映画としての興奮は大して味わえない。津波が押し寄せてくるカットが出ても、次のカットでは津波が去った後の惨状がニュース映像で流されるだけ……と、凡百のTVムービーと同じような省略手法が用いられており、肝心の破壊描写は全くと言っていいほど拝めないのである。特に「クラッシャー 大津波」の最大の見せ場となっていた巨大津波を消すシークエンスが、本作ではミサイルの爆発を遠くから映すだけで処理されていたのにはガッカリさせられた。尺が長くなったのが災いして展開もやたらと冗長になっているし、本作を見るぐらいだったら素直に「クラッシャー 大津波」を観たほうがいいだろう。
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