マンティコア vs USA    「評価 B」
戦時下のイラク。暴徒の鎮圧に追われていたバクスター軍曹たち一小隊のもとに、新たな指令が下された。先日GNNの従軍記者ピアーズが、エル・クマール村にて消息を絶った。彼女はイラクの大量破壊兵器の情報を入手したらしいので、現地に向かって救出して欲しいというのだ。途中で敵兵の襲撃を受けながらも、無事村へ到着するバクスターたち。だがそこは無数の惨殺体が転がっているだけで、人間の気配が全く感じられなかった。不審に思う一行。とその時、奴が姿を現した。現地人の手によって封印を解かれた伝説の魔獣、マンティコアが…。
イラクの小さな村を舞台に米軍とマンティコアがガチンコバトルを繰り広げる、ミリタリー・モンスター・アクション映画。作品の顔となるマンティコアはライオンの体にサソリの尾、そしてコウモリの翼を生やしている伝承通りの外見をしているが、CGが稚拙なために生物らしい質感が感じられない上、柱にぶつかっても周囲が揺るがないなど、重量感にも乏しい。ただしその攻撃方法はバリエーションに富んでおり、牙や爪や尾による近接攻撃の他、尾の毒針を飛ばしたり、酸を吐き出して相手を溶かしたりと、怪物としての魅力を振りまいていたのが嬉しかった。終盤の対決も二転三転する状況がスリリングに描写されていて、見ごたえ十分。映像の迫力の無さを演出で見事にカバーしている、良作と呼べる出来だった。
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