超隕石 ファンタスティック・フォース 「評価 D」
スイス、アフリカ、カリフォルニアと、世界各地に連続して小型隕石が落下してきた。地球に接近中の小惑星リッケンバッハの破片が、隕石となって地球に到達したのである。そのリッケンバッハは明日の晩に地球の側を通り過ぎるため、もうこれ以上の災害は起こらないだろうと思われた。ところがアメリカのニーツ観測所に勤めているマディソンが調べたところ、リッケンバッハは密かに別の小惑星と激突していた。これによってリッケンバッハの軌道は変わり、明日にも地球に衝突することが判明したのである。早速マディソンはこの危機を軍の上層部に伝え、かつて政府が極秘に開発していたレーザー兵器"ビッグガン"を使って小惑星を破壊することを提案した。しかしダットン大将はビッグガンの存在を隠蔽したいがため、小惑星の話を信じようともせず、彼女の提案を払いのける。そこでマディソンはビッグガンの存在を知っているドノヴァン少佐と協力し、ビッグガンが隠されている空軍基地への潜入を試みた…。
「スペース・リザード3001 宇宙の極道蜥蜴」のサム・アーヴィン監督による天体パニック。天体による災害シーンは冒頭の僅かしかなく、その後はマディソンたちが政府の妨害を掻い潜ってビッグガンを手に入れようとする話が主軸になっている。だが本作、何かにつけて登場人物たちが後ろ向きな発現を繰り返すのが煩わしくてしょうがない。ビッグガンの基地に向かう途中、ドノヴァンが「ビッグガンのプログラミングが正確とは限らない」「撃つタイミングを間違えば大変なことになる」とグダグダ言ったかと思えば、潜入前に武器を使うか否かという話題になると、今度はマディソンが「誰も殺さずに兵器を奪いたい」「悪いことはしたくない」とグダグダ。そのたびに他の登場人物との言い争いが発生し、ストーリーの進行をこれでもかと遅らせるのだ。「明日の晩に小惑星が降ってくる」という緊急を要する状況であるのに、登場人物たちからは全く危機感のようなものが窺えない。本当にサム・アーヴィン監督作なのだろうかと疑ってしまうほどの、非常に退屈な作品だった。
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