ドラゴン・ダイナスティ    「評価 C」
13世紀。元に滞在していたマルコ・ポーロは、皇帝フビライと貿易協定を結び、友好の証として火薬をもらって祖国へと帰ることになった。ところが呪術師シャン・セイは、西洋と交流することによって元の技術が外部に流出するのに反対していた。そこで彼は闇の世界からドラゴンの大群を呼び寄せ、マルコ・ポーロ一行を始末しようとしたのである。幾度にもわたるドラゴンの攻撃をかわし、何とかヴェネツィア共和国へと帰還するマルコたちだったが、シャン・セイ率いるドラゴンの軍団は王都まで追いかけてきた。マルコたちは策を巡らし、ドラゴンを撃退しようとするが…。
「オデッセイ2001」のマット・コッド監督による、伝奇チックな内容のモンスター映画。本作に出てくるドラゴンは中国的な細長い体躯の龍とは異なり、巨大な翼を生やした西洋風のデザインとなっている。これが中国ではなくモンゴル人が呼び出したからなのかは分からないが、それはともかくとして、櫓の見張りを翼で真っ二つにしたり、掴んだ兵士の体を千切ったりといった殺戮場面は、スピーディーな演出もあって非常に見応えがあった。元からヴェネツィアへの旅をしながら襲撃されるので、ドラゴンと戦う場所が王宮、草原、砦、船の上、市街地、山岳地帯とバリエーションに富んでいたのも魅力的。ただし残念だったのが、クライマックスである大砲とドラゴンとの決戦がアッサリしすぎて盛り上がりに欠けたところ。こんな肝心なところで滑ってしまう辺りに、「オデッセイ2001」の監督らしさをしみじみと感じてしまった。
TOP PAGE