エクストロ 「評価 A」
UFOに誘拐されて姿を眩ませていたサムが、三年ぶりに家へと帰ってきた。ところが妻であるレイチェルは新しい夫ジョーと幸せな生活を送っており、突然の前夫の帰還に戸惑うばかり。しかもサムは蛇の卵をおいしそうに食べたり、息子トニーに人形を殺人兵器に変える超能力を与えたりと、明らかに普通の人間ではなくなっていた。それもそのはず、サムの実体は既に醜悪なエイリアンと化しており、家に戻ってきたのも繁殖して仲間を増やすことが目的だったのである…。
ダベンポート監督の代表作であるSFホラー。宇宙からやってきたエイリアンが通りがかりの女をレイプすると、女の腹がグングン膨らんでいき、大人のサムが産まれる……という感動的な地球への帰還シーンに始まり、サラダに落ちた蛇が近所の老婦人にグチャグチャにされる、人間大になったGIジョーがその老婦人を惨殺、といった感じに次々と繰り出されるエグいシチュエーションの数々には興奮の味わい通しだった。そんな本作の陰惨さを際立てているのが、モンスターの造形への並々ならない拘りである。体表に浮かぶ血管が素晴らしいエイリアンや、卵を産み続ける肉体へと改造された女学生メルシアの見事なまでに悲惨な有様を見ていると、本当にこれの続編が「エイリアン・ウォーズ」なのかと疑いたくなるぞ。特に改造後のメルシアは、卵を放出し続ける異形の容姿だけでも相当なインパクトだが、その卵がちゃんと脈打って存在感をアピールしているのだから、心が弾んでしょうがなかった。全編にわたる壮絶なグロ描写が圧巻な傑作だ。
TOP PAGE