首狩り農場 地獄の大豊作 「評価 Ｄ」
アメリカ南部の農村地帯で、フィリップら逃走中の宝石強盗４人組が車を走らせていた。道中、ガソリンが切れてしまったために彼らは車を乗り捨て、隠れ家を探し始める。するとちょうど近くに農場があったので、彼らは住民たちを脅して家を乗っ取ることにした。しかしその家の住民ときたら、信心深いアル中オヤジのハーレンに、お色気ムンムンの人妻レビースー、そしてオツムの足りない使用人のトビーと、とんだ曲者だらけ。そんな彼らに振り回され、フィリップたちの計画は思わぬ方向にいってしまう…。
「女切り裂き狂団チェーンソー・クィーン」「アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン」のフレッド・オーソン・レイ監督による、トロマ社発の脱力系ホラー映画。後々の作品ではＢ級映画好きのツボを突いた素晴らしいギャグを繰り出しているフレッド監督だが、８０年代初期に撮られた本作ではまだまだ本領が発揮されているとは言えない。シーンの合間ごとに地獄の使者なる人物が出てきてエド・ウッドの映画ばりにテキトーな解説を述べたり、乱闘シーンで突然ペキンパーのようなスロー映像になったりと、たびたび映画ファンを狙ったかのようなギャグが出てくるが、その尽くが見事なまでに滑っており、観ていて失笑しか漏れてこないのだ。トロマらしい腑抜けた感じを楽しみたいならばうってつけだが、それ以外の人間にはお勧めできない作品である。
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