エンパイア・オブ・エイプス    「評価 C」
セスたち学生グループは、野生動物の生態調査のために人里離れたジャングルへと出発した。ところが現地でハミルトン教授のキャンプに合流したのが運の尽き、彼らは教授の調査研究に半ば強引に同行させられることになった。研究目的も知らされないまま、深いジャングルを進まされる一行。道中では、木の枝に人骨がぶら下がっていたり、つい最近まで使われてたと思しき無人のキャンプがあったりと、明らかに何かあったと思しき痕跡が。徐々に不安を膨らませるセスたちだったが、そんな晩に事件は起こった。キャンプで休んでいた彼らに、ミッシング・リンクとなっている未知の霊長類が襲撃をかけてきたのだ。実はハミルトン教授は、学生達をオトリにしてこの新生物を捕獲しようとしていたのである…。
「吸血鬼サーカス団」のロバート・ヤング監督によるアドベンチャー映画。新生物の捕獲のために他人の命を蔑ろにする──という馬鹿科学者は大抵のモンスター映画に登場するが、本作ではそんな科学者がやたらと話の前面に出ており、モンスター以上に恐怖を与える存在になっていたのが特徴的だった。本作のハミルトン教授は、新発見のためならば平気で人を殺す。学生をボコボコに痛めつけて沼に放り投げたり、木に縛り付けて怪物の餌にしたりと、その鬼畜ぶりは相当なものだ。しかしこういった最低科学者は通常ならば観客の心に不快感を植えつけるだけだが、ハミルトン教授は外道さが殊更に際立っていたものだから、逆に悪人として魅力溢れるキャラになっていたのである。教授が本来の主役であるはずの霊長類を完全に食ってしまっている映画だ。
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