人喰いネズミの島 「評価 C」
貨物船の船長スローンは物資の運搬のために、絶海の孤島へとやってきた。島では生物学者マイロが娘のアンや助手達と共に、日々ネズミの遺伝子研究を行っている。彼らに物資を渡したスローンは、ちょうどハリケーンが近づいていたため研究所で一泊することにした。ところがこの島には、恐るべき秘密があった。突然変異によって誕生した狂暴な巨大ネズミが何百にも数を増やし、人々の生命を脅かしていたのである。無数の巨大ネズミが研究所に殺到する中、スローンたちは何とか島から脱出しようとするが…。
「大蜥蜴の怪」に続く、レイ・ケロッグの監督第二弾。本作も前作同様に巨大生物モノだが、さすがにネズミは動きがすばしっこいため、前作のようにカメラを近づけて撮るのは大変だということは想像がつく。しかしだからと言ってケロッグさん、犬に毛皮を被せて巨大ネズミにするのは流石に無理があるぞ。いくら犬の群れに「チュチュー」とネズミっぽい鳴き声を被せても、やっぱり犬だ。ネズミにしては足が長すぎるし、歯並びは明らかに齧歯目のそれじゃない。これだったら素直に「人喰い犬の島」にした方が良かったのでは無いだろうか。
しかし本作、犬に毛皮を被せて巨大ネズミとしたことによって、前作と違って生身の人間と巨大生物が一緒に写れるようになったのは良かった。おかげで人間と巨大生物との絡みが増え、人間が巨大生物に追い詰められる様も緊張感のあるものになっていたのだ。また鋭い前歯で研究所の壁を削るというネズミであることを活かしたシチュエーションも盛り込まれているし、クライマックスの脱出場面は後年の「マン・ハンティング 人間狩り」を彷彿とさせるものの本作の方がスリリングな感じが良く出ている。巨大ネズミの造形にほのぼのとするだけでなく、動物パニック映画としても結構楽しめる作品だ。
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