アポカリプス 地球最後の日      「評価 D」
天より降り注いだ隕石群によって、カリフォルニアが壊滅した。どうやら地球が無数の小惑星帯に突入したらしく、このままでは巨大な隕石で地球が壊滅するのも時間の問題らしい。それを知ったジェイソンは元妻のアシュリーと共に、娘のリンジーに会うためにロスアンゼルスへと向けて出発した。ところがその途中、地すべりや竜巻、地割れといった災害が2人を襲う。更には人間が突然消失するという怪現象が発生し、彼らに出会った人間が次々と消えていった。このような異常事態の中でアシュリーは、やがて救いの場を神に求めるようになる…。
地球滅亡寸前の世界を舞台にしたロードムービー。迫り来る滅亡の瞬間に人類が何の対処もできず、ただ大切な人と残りの瞬間を過ごそうとするというコンセプトは「渚にて」を彷彿とさせるが、残念なことに本作ではあの映画のような気高さを感じ取ることはできなかった。と言うのも本作、脚本が壊滅的に駄目駄目なのである。登場人物たちの台詞回しがやたらと回りくどく、「私、こう見えても教会に行くのが好きなんだ」「へー、意外」で済むような会話が何分もダラダラと引き延ばされている。本作はそんな会話シーンが頻繁に織り込まれているものだから、観ていて気が滅入ってしょうがなかった。おまけにその会話内容も、「これは神の試練だ」「神様はいるのか?」「彼は魂を救おうとしたんだ」といった宗教関連の話題ばかりで、キリスト教に縁遠い人間からしてみれば居心地の悪さを感じ通しだった。竜巻や隕石のVFXは頑張っているが、脚本がその長所を完全に打ち消していたのである。
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