ディノクロコダイル 「評価 D」
ロスアンゼルスの北100キロ地点にある、ロスパドレス国有林。この林では少し前に地震があってからというもの、絶えず巨大な何かの影が動いていた。そこでペレスたち軍の一小隊が調査に向かったところ、なんと全長20メートル近くはある巨大ワニが巣を作っていたのだ。このワニは遥か古代に棲息していたはずの種であり、それまで地底で生き延びていたのが、地震の影響で地上に這い出てきたのである。小隊の面々は次々と巨大ワニに食い殺されていき、ペレスの婚約者であるジャクソンまでもがワニの餌食となってしまう。一方その頃、巨大ワニの存在を知った古生物学者のリアは、密かに軍の化学部隊と協力してその卵を回収していた。そして卵はロスアンゼルスの空軍基地に保管されたのだが、そんなことを巨大ワニが許しておくはずがない。ワニは持ち前の鋭敏な嗅覚を頼りに、あろうことかロスアンゼルスへと移動を開始したのだ…。
太古より蘇ったワニが森や市街地で大暴れするモンスターパニック映画。本作のワニはただデカいだけでなく、飛行中のヘリに地上から噛み付いたり、爆弾や毒ガスを食らっても容易にやり過ごしてしまったりと、ほとんど怪獣同然の立ち振る舞いを見せてくれる。VFXが「コモド リターンズ」レベルなため、ワニの弾着描写が皆無だったり、ワニに人間が喰われるカットで人がワニの後ろに隠れていたりしたのは残念だが、技術が無いなりに巨大ワニの魅力を引き出そうとしていた姿勢は好印象だった。しかしこの映画、脚本の方はとてもじゃないが評価できない。米軍の立てる作戦はことごとくお粗末だし、生物の保護を考える学者の手によって事態がややこしくなるという展開は凡庸にも程がある。そしてラストもまたありきたりなオチで締めくくられており、終始ゲンナリさせられ通しだった。
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