グリズリー・レイジ       「評価 D」
ローレン、ウェス、リッチ、ショーンの4人の男女は高校卒業を記念して、とあるキャンプ場へと車を走らせていた。ところがその途中、僅かな冒険心から立入禁止の森林地帯に突入したことにより、彼らは大きな災難に見舞われることとなった。未舗装のデコボコ道を走っていた車は、前を横切った一匹の小熊をはね飛ばした。すると母親のグリズリーがたちまち怒り狂い、4人を執拗に狙い始めたのである。車が故障したことで逃げようにも逃げられなくなった彼らは、やがて意を決してグリズリーと対決しようとするが…。
復讐に燃えるグリズリーと自業自得な4人組との戦いを綴った、アルバトロス発のアニマルパニック映画。主役のグリズリーはタックルで車を叩き潰すなんてパワフルな一面も見せてくれるが、本物を使っているという制約上、人間と一緒に写っているカットが殆ど存在しないのは興醒めだった。例えばグリズリーの攻撃で若者が数メートル吹っ飛ばされる場面は、グリズリーの大写しのカットの次に吹っ飛んでいる若者が映し出されるといった具合で、編集による苦心の跡は窺える。でもやはり、人間と熊との直接的な絡みが見たいのが人情というものだ。しかも本作はストーリー展開が極度に遅い上、クライマックスが暗い森の中で進行し、何が起こっているのか良く分からないカットが頻繁に登場するのも辛いところ。パニック映画としてはあまりにもお粗末な出来だった。
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