エイプリル・フール 鮮血の記念日  「評価 D」
どんな嘘も許される四月一日。キットを始めとする数名の若者たちが、友人のマフィに誘われて彼女の邸宅がある孤島へとやってきた。軽い嘘で互いを驚かしながら楽しい一時を過ごす一行だったが、そんな最中に事件は起こった。島に来ていた若者達が、次々と姿を消したかと思えば、死体となって発見されたのである。生き残ったキットは邸宅に残された小道具から犯人の正体を暴こうとするが、事件には思わぬ真相が隠されていた…。
とても間の抜けた映画だ。本作は終盤まで殺人鬼映画のノリで進行するものの、直接的な殺害場面は一切登場せず、ただ殺された死体ばかりが発見されていく。これは事件の真相が真相なので仕方ないのだが、それでも発見される死体の殆どが綺麗な状態なのは閉口させられる。あの真相からすれば死体をもっと悲惨な様態にすることも十分可能なのに、その工夫がまるで無いものだから、いくらストーリーが進んでも映画が一向に面白くなってこないのだ。そして本作、ラストのどんでん返しこそが肝なはずなのに、そのオチが十分に予想できる範囲内なのも困りどころ。おかげで全ての謎が明かされても驚きを味わえず、逆に筆舌に尽くし難い脱力感に襲われたのである。
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