ゴースト 血のシャワー(別題:デス・シップ)「評価 C」
航海中の客船が、何処からとも無くやってきた古びた船と衝突して沈没した。船長を始めとする生存者たちは救命ボートに乗って海上を漂っていたが、そこへ先程の船が再び姿を現した。タラップが降りていたので安心して船に乗り込む一同だったが、何故か船内に人間の姿は無い。しかもクレーンが勝手に動いて生存者の一人が海に落とされたのを始め、船では様々な怪現象が発生する。実はこの船はかつてナチスが使用していた拷問船で、死んだ者たちの並々ならない憎悪の念から、現在は際限なく血を求め続ける幽霊船と化していたのだ…。
「ドクターモローの島」「メテオ」のサンディ・ハワード製作総指揮による幽霊船映画。本作では怪現象モノであるが、その原因となる死者の怨念が像として画面に出てくることはない。冷蔵室に陳列された死体や、船室の引き出しの中に残されている大量の金歯など、あくまで形として残っているものだけが映されるようになっており、直接映像で見せる以上に憎悪の存在を生々しく感じさせるようになっていたのだ。また船内で生じる超自然的な現象は、邦題になっている「血のシャワー」こそ微妙だったが、徐々に怨念に精神を支配される船長や、壊れても同じ映像を写し続ける映写機は結構恐怖感を沸き立たせてくれる。特に船長の変貌ぶりはジョージ・ケネディの熱演もあって、血のシャワー以上の見せ場となっていたのである。
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