アイス・スパイダー          「評価 D」
スキー場でインストラクターとして働いているダッシュは、森で二名のハンターが行方不明になったとの報せを受けた。早速捜索に向かったところ、ダッシュはハンターたちの惨殺体と、全長1mほどはある巨大な蜘蛛の群れを発見する。実はスキー場の近くには政府の秘密研究所があり、そこではサマーズ博士たちの手によって巨大蜘蛛の飼育がなされていた。ところがある日、その蜘蛛達が成長促進剤の影響で凶暴化。施設内の科学者たちを皆殺しにした後、一斉に研究所から抜け出してしまったのである。寒さにも強い巨大蜘蛛たちは森を抜け、やがてスキー場の客たちにも襲い掛かる。ダッシュは政府の特殊部隊と協力して、巨大蜘蛛の退治に乗り出すが…。
「殺人鼠 KILLER RATS」のティボー・タカクス監督によるモンスターパニック映画。わざわざ「成長促進剤の影響で寒さも平気になった」という離れ業まで駆使してスキー場に蜘蛛を登場させているわけだが、その蜘蛛たちはスキー場の施設や雪山の地形を活かした戦い方を見せるわけじゃなかったため、かえってミスマッチな印象だけが際立つ結果となっていた。蜘蛛たちの外見に強いCG臭さが感じられ、決して美麗とは言い難かったのも残念なところ。また脚本は、ダッシュの元プロスキーヤーとしての葛藤が実にアッサリと解決してしまったり、終盤になって政府の上層部が何の前触れもなく介入してきたりと、非常にいい加減さの漂う代物。あらゆる要素が抜けている、何とも緩い雰囲気の作品だった。
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