合衆国壊滅U 再襲来!M10.5 「評価 B」
前回発生した地震により、ロスアンゼルスは大陸から完全に分断された。しかし災害は、これだけに留まらなかったのだ。地震の影響で、アイダホではボールド火山が噴火し、中西部では熱せられた地下水が地表に噴出したことからダムが決壊し、ラスベガスでは新たなる震災が発生した。おまけに北米大陸の地下に巨大な断層が生じ、大陸の北部で地面が裂け始めた。地割れは大陸を南下するかのように伸びていき、このままでは国内最大の原子炉が地割れに飲み込まれて大規模災害に繋がることが明らかになった。これを止められるのはプレートの構造に詳しいヒル博士の父親だけだが、彼はべガスの震災に巻き込まれてビルの中に閉じ込められていた。果たしてアメリカは最悪の事態を免れることができるのか…。
壮絶的な規模の災害をTVムービーとは思えない美麗なVFXで描いた傑作「合衆国壊滅M10.5」の正当な続編。あれだけ凄まじい映像美を見せてくれた作品の続編ということで非常に期待して観賞したものの、初っ端の津波の場面が思わず目を疑うほどに稚拙な出来でいきなり出鼻を挫かれてしまった。幸いにも出来が悪いシーンはここだけで、その後の火山噴火やダム決壊、地面陥没などはちゃんと前作と遜色のない映像美で彩られていたが、何故冒頭の津波だけあんなに酷い出来なのか激しく疑問だった。
また本作、ドラマ性の希薄さは前作すらも凌いでおり、ヒル博士の父親の救出以外にこれといった大きなストーリーが用意されていない。そのため状況の把握が終わった中盤以降は専らビルの中が舞台となっており、災害の規模は前作以上のはずなのにスケールに乏しいという妙なことになっていたのである。映像面に関しては一部を除いて文句ない出来だったものの、残念ながら前作のような虚脱感を味わうには至らなかった作品だ。
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