ゴールド 「評価 D」
ヨハネスブルク郊外のソンダーディッチ金鉱で発生した爆発事故は、総監督を始め多くの人間が死亡する大惨事となった。そこで金鉱会社の専務であるスタイナーは後任の総監督として若いロッドを指名し、彼に会社を立て直す手段として、地底深くの大金脈を掘り起こして欲しいと依頼した。ロッドは言われるがまま、金脈を目指して鉱道を掘り進める。ところがこれは、スタイナーの罠だった。ロッドが掘り進める先に金脈など存在せず、そのままでは地下水脈が流れ込んできて、金鉱は二度と使い物にならなくなってしまうのだ。実はスタイナーは各国の実業家達と密かに繋がっており、ソンダーディッチ金鉱を壊滅させると同時に自社の株を売り、他の金鉱の株を買収することで莫大な金を儲けようとしていたのである。しかしそんなことは露と知らず、部下にトンネルを掘らせ続けるロッド。そしてロッドがスタイナーの妻テリーと不倫旅行に出かけていた日、ついに水脈へ続く岩盤が破壊され、坑道に大量の水が流れ込んできた…。
パニック映画ブームの真っ最中である74年、「女王陛下の007」のピーター・ハント監督が世に送り出した洞窟パニック映画。ところが冒頭の爆発事故の後はスタイナーたちの陰謀話がこれと言った見せ場もなくダラダラと続き、金鉱に水が流れ出すのは映画も終盤に差し掛かってからのこと。おまけに本来の山場であるはずのロッドが金鉱の災害に立ち向かうシーンよりも、その後のスタイナーが車に追い回されるシーンの方がよりスリリングに撮られている始末で、パニック的な要素を期待していると非常にガックリきてしまう。エルマー・バーンスタインの音楽が秀逸だったのが救いとなっている作品だ。
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