アルマゲドン2007 「評価 C」
宇宙の彼方より飛来した小惑星が、月に激突して粉砕した。地球には無数の隕石片が降り注ぐようになり、各地では甚大な被害が発生するように。しかしこの隕石片は当初小惑星の破片と思われたが、アメリカ宇宙研究所のラナの調査結果から、破損した月の欠片だということが明らかになった。激突の衝撃で月に大きな亀裂が生じ、飛び散った破片が地球の引力に吸い寄せられていたのだ。このままでは月の軌道が変化し、地球で大規模な天変地異が生じるのも時間の問題。そこで政府は事態を収拾するために、月の亀裂を溶接する計画を打ち立てた。そして実行する人物として爆破解体業のジョンが選ばれたが、スペースシャトルが発射する時になっても、研究機関内では溶接する手段に電磁波を用いるか核爆発を用いるかで対立が生じていたのだ…。
「アンダー・ザ・プラネット」「ソーラー・ストライク」の製作者による天体パニック映画。隕石の落下や月の亀裂など、要所要所の見せ場となる映像が「ソーラー・ストライク」と同様に壮大さを感じさせるものになっており、プロットのスケール感に決して引けをとっていなかったのでパニック映画としては満足のいく内容だった。しかし話の根幹となる月面修復、特にスペースシャトルが発射してからの描写の数々が、あまりにも荒唐無稽すぎて驚かされた。この映画では、飛行中のスペースシャトル内を直立歩行するなんてのは当たり前。隕石群の間をシャトルが縫うように飛んでいくという一昔前のスペースオペラを髣髴とさせる場面があったり、シャトル内で核爆弾を少し改造するだけで電磁波発生装置が完成してしまうなんて御都合主義ここに極まれりな展開があったりと、その「考証なんか知らないぜ」と言わんばかりの無茶苦茶さはある種の潔さすら感じられるほどだ。
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