深海からの侵略者 サラマンダ 「評価 D」
南氷洋上にて地質調査を行っていた採掘船ゾートロン101。ある日ジェイクたち船の乗組員は、掘り出された鉱石の中から見たこともないような石を発見した。それを乗組員の1人が手に取ろうとしたところ、鉱石に紛れていたトカゲのような怪生物によって腕を噛まれてしまう。怪生物は間もなく始末されたが猛毒を持っていたらしく、噛まれた男は苦しみもがいた末に死亡した。そしてこれが事件の幕開けだったのである。科学者のスコットが謎の石を調べてみたら、それは何百万年もの昔から深海に眠り続けていた怪生物の卵だということが判明した。この怪生物は卵の殻にまで猛毒を持っており、殻に触れた乗組員が発狂した後、クレーンの先端から身を投げて死亡した。更に卵から孵った怪生物が、また別の乗組員に襲い掛かる。この怪生物は速やかに始末されたものの、襲われた乗組員はやがて発狂し、自ら命を絶った。彼の死を見届けたジェイクたちは、これで全てが終わったと安堵する。しかし実は、まだ怪生物には生き残りがいたのだ。夜も更けたころ、密かに人間大にまで成長を遂げていた怪生物が、彼らの前に姿を現した…。
採掘船の乗組員たちが古代生物と戦う、海洋版「エイリアン」といった趣のモンスター映画。本作の怪生物は多様な姿を有しており、作中で襲ってくるのも、幼生体→殻の毒で狂人化した乗組員→幼生体→幼生体の毒で狂人化した乗組員→成体、と変化に富んでいた。しかし毒で狂人化した人間との戦いにやたらと時間が割かれている一方で、肝心の怪生物との戦闘シーンがあっという間に終了してしまい、見ていてフラストレーションが溜まってしょうがなかった。その上本作は襲撃シーンの演出が鈍重で、怪生物のグロテスクな造形がろくに活かされていない始末。怪物好きには到底我慢のならない作品だった。
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