ソーラー・ストライク セカンド・メルトダウン「評価 D」
政府は地球に接近してきた小惑星を粉砕するために、10メガトンの核弾頭を撃ち込んだ。結果、小惑星は分解してめでたく地球は難を逃れたように思われたが、あろうことか破片の一つが地球の成層圏を掠ったことが原因で地球の軌道が変わってしまったのだ。地球は太陽に向かって動き出し、全世界の気温が日を追うごとに上昇していく。各地では山火事が頻発し、多くの人間が熱射病で病院に運び込まれるようになった。小惑星粉砕計画に携わったネイサンはこの危機的状況をやり過ごすため、北極観測基地にいる仲間から迎えの飛行機を送ってもらい、家族たちと共に合流ポイントへの移動を開始した。ところが街は水を求める暴徒で溢れ返っており、そう易々と移動することができなかったのである…。
モラルの崩壊した世界で生きていく人たちの姿を描いた、ジョン・カーペンター原案のSFパニック映画。主人公たちは気温の上昇する地球で生き延びるために北極に向かうわけだが、そもそも気温の上昇する理由が地球が太陽に向かって動き出したためなので、地球の軌道を戻しでもしない限り気温の上昇は止まらないはずである。よって北極に着いたところでやがて氷が溶けて暮らせなくなるのは目に見えており、いくら主人公たちが必死に旅を繰り広げていても素直に応援する気持ちにはなれなかった。そして本筋がこんなものだからラストも何の解決にもなっていない酷すぎる内容で、極端に楽観的なことを言っている主人公たちの姿には怒りを通り越して呆れてしまう。災害のスケールのでかさは良かったのに、突っ込みどころ満載な脚本のせいで全てが台無しになっていた作品だ。
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