怪奇! 兎男          「評価 D」
実験ナンバーF13"フレデリカ"。研究機関の遺伝子操作によって生み出されたこの一匹のウサギには、驚くべき秘密があった。なんとこのウサギに噛まれた者はだんだんと遺伝子が変異していき、世にも恐ろしいウサギ人間と化してしまうのだ。そんなフレデリカがある時、一人の女の手によって研究所の外へと解放されたから大変だ。フレデリカは早速ニンジン畑を作っていた男ハンスに襲いかかり、彼の手に噛み付いた。するとそれまで弱気だったハンスは一転、狂暴なウサギ男となって、近所の住民たちを虐殺し始めたのだ。彼に襲われかけた住民は警察に危険を告げるが、「半分人間半分ウサギの化け物が人を襲っている」と言ったところで当然警察はマトモに取り合ってくれない。そんな中で唯一信じてくれた警官のマキータは捜査を開始するが、タイミングの悪いことにその日は復活祭の前日。街はウサギの扮装をした人々で溢れかえっており、捜査は難航する。そこでマキータは一計を案じ、仲間たちと共にバニーガールの格好になってハンスを誘き寄せようとするが…。
ウサギ人間とバニーガールとの壮絶な闘争を綴ったSFホラー。フレデリカが単なるウサギのぬいぐるみで、人間に襲い掛かるシーンなんかは役者がぬいぐるみをブンブン振り回しているだけの代物だったりと、低予算であることに完全に開き直ったような脱力系の内容で、そのノリはアルバトロスの「チアリーダー忍者」や「フロッグマン」を髣髴とさせてならなかった。特にウサギ男となったハンスが良い感じにチープさを漂わせており、真っ黒な顔にウサ耳を伸ばし、細長い髭にチャーミングな丸い尻尾、更に移動手段がウサギジャンプと来ては、いくら凶悪なことをしていても見ていて心が和んでしまう。しかし本作、フレデリカが出てこなくなる辺りから次第にノリが悪くなっていき、先に挙げた二作ほどには弾けきれていなかったのが残念だった。終盤の展開も割と普通のホラー映画になっており、「チアリーダー忍者」における巨大ロボット戦や「フロッグマン」におけるフロッグマン体操のようなサプライズが用意されておらず、いまいち物足りなく感じられたのだ。
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