デッド・フライト          「評価 B」
メドコン製薬会社はベトナム奥地において、新種のマラリア菌を発見した。それに感染した人間は死亡した後に臓器だけが再生し、ゾンビとなって人肉を貪るようになる。これを兵器として使えば大儲けできると考えたメドコン社のベネット博士らは、早速商談のために同僚たちと共にパリ行きの旅客機コンコード239に搭乗した。貨物室には箱詰めのゾンビを積んで。ところが飛行中の旅客機は乱気流に巻き込まれ、機体は大きく揺れた。するとゾンビが箱の中から解き放たれてしまい、辺りの人間を見境無しに襲い始めたのだ。ゾンビに齧られた人間も次々とゾンビとなっていき、旅客機内は瞬く間に無数のゾンビが蠢く血みどろ地獄と化してしまった…。
蜂やサソリや宇宙怪物やヘビが飛行機を占拠する時代だから、ゾンビが同じことをしたっていいじゃない。そんなわけで登場したゾンビ・エアパニック映画がコレだ。本作のゾンビたちは実に痛快なまでに暴れてくれ、作中のゾンビたちは3mぐらいジャンプして襲い掛かったり、全身丸焦げになっても果敢にアタックしてきたり、機体の外に放り出されても後ろを飛んでいた戦闘機と激突して爆発炎上させたりと、そのハッスルぶりは舞台の狭さをまるで感じさせないぐらいだ。またトイレの中で芋づる式に次々とゾンビが誕生するところや、ゾンビ化したシスターが物凄いスピードで張ってくるところなど、ユーモアに富んだ場面が多いのも嬉しいところ。しかもゾンビは老若男女見境無しに人間を襲ってくれるし、メイクの出来も及第点。エアパニック映画としてはあまり斬新さが感じられないが、ゾンビの活躍は十分すぎるほどに堪能できる作品だ。
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