デッドマンズ・プリズン 「評価 C」
製薬会社の社員トラビス・ディーが、散弾銃による大量殺人の容疑者としてハーウッド重警備刑務所に収監された。ところが彼は刑務所に着くや否や体調を崩し、刑務所の至る場所に吐物を撒き散らす。挙句に彼は物凄い形相になって看守に襲い掛かり、驚いた看守によって頭を撃ち抜かれた。これだけならば単なるトラブルとして終わるところだが、実はトラビスの病気は非常に厄介なものだった。会社で人体蘇生薬の開発に携わっていた彼は、研究の過程で新種のウイルスを作り出した。それは感染後数時間で死に至るだけでなく、死後は人肉を求めるゾンビになってしまうという大変アンビリーバブルな代物で、収監時トラビスはこのウイルスに感染していたのである。なので彼の吐物に触れた他の囚人や看守たちも同様の症状を併発し、刑務所は一晩のうちに無数のゾンビが蠢くデンジャラス空間と化してしまった。トラビスの病気の件で刑務所に来ていた疾病管理センターのベケットは、知り合った囚人ジョニーと協力して刑務所を脱出しようとするが…。
「スネークトレイン」「アサルトD」のデヴィッド・マイケル・ラット製作によるゾンビ映画。脚本の質はあまり良くなく、登場人物同士の台詞の掛け合いが総じて薄っぺらい上に、作品のシチュエーション自体にも相当な無理が感じられる。しかしこの映画、随所に散りばめられたエグいシーンの数々からはそれを補うに足るパワーが感じられた。作品前半は感染者たちの症状を描くことに腐心されていて、彼らが歩行中や食事中に次々ゲロを吐きまくるという悪夢のような映像が展開される。そして彼らがゾンビになってからは刑務所内での人間とゾンビの対決が延々と綴られていくわけだが、人体解剖や脳漿飛び散りといったサービスシーン(?)が多めに用意されており、更に演出のテンポもいいものだから、限られたシチュエーションでの戦闘シーンが続いても退屈せずに観ていることができた。ゾンビたちが子供にも容赦なく襲い掛かる鬼畜ぶりを発揮していたのもポイント高い。低予算ながらもしっかり楽しませてくれる作品だった。
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