破壊神            「評価 D」
マヤ文明の遺物である太陽のクリスタル。それは翼の生えた大蛇エル・カカーニョを制御する力を秘めており、現在はメキシコの小さな村に住む神父がこれを所持していた。神父はエル・カカーニョの力を借りて村を守り続けていたが、ある日フランコ率いる麻薬密売組織の手によって、神父を始めとした村人たち数名が殺害されてしまう。神父は息を引き取る間際、村の青年ミゲルに太陽のクリスタルを託し、自分に代わって村を守るようにと言付けた。それから三ヵ月後、ロサンゼルスでは消息を絶った人間が空から落ちてきたり、銃撃戦を行っていた男達が突然姿を消したりと、奇怪な事件が続発していた。これらの事件で死亡したり行方不明になったりするのは殆どがフランコの組織に属する人間で、組織に個人的恨みを抱くロス市警のグリフェンは懸命になって事件の謎を追う。すると捜査線上に、空を飛ぶ巨大な大蛇の姿が浮かんできたのである…。
警官と犯罪組織と空飛ぶ大蛇との三つ巴の闘いを綴った、アルバトロス発のモンスター映画。大蛇エル・カカーニョは“創造神ケツァルコアトルが地上に遺していった”と凄い枕詞が付いている割には、作中でやることと言ったらチンケな悪党どもを懲らしめる程度。いくら太陽のクリスタルで操られているとは言え、コソ泥を執拗に追い詰めて惨殺したハヌマーン様並みに、設定とやることのギャップが激しい御方だ。またVFXの質があまり良くなく、「コモド リターンズ」ばりに弾着描写がおざなりにされている上、数少ない攻撃方法である“丸呑み”が翼に隠されて一度も画面に出てこないものだから、モンスター好きとしては何かと欲求不満を覚えずにはいられなかった。男の死体が試合中の球場に落ちたというのに観客が誰一人としてカカーニョを目撃していないとか、終盤の展開とか、ストーリーは突っ込みどころ満載で結構楽しめたのだが。
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