フェイスレス 「評価 B」
整形外科医フラマンの妹は、硫酸を浴びたことによって顔が醜く焼け爛れてしまった。それを不憫に思ったフラマンは、助手のナタリーと協力して各地から美女を攫い、その顔を妹に移植しようと思い立つ。ところが着々と計画が進行していく一方で、攫われた美女バーバラの親が私立探偵モーガンを雇い、娘の捜索に当たらせたのだ。モーガンは懸命な捜査の末にフラマンの病院に辿り着き、バーバラとも出会うことができた。しかし喜びを分かち合う二人に、フラマンの恐るべき罠が待ち受けていた…。
62年の「美女の皮をはぐ男」を、ジェス・フランコがセルフリメイクしたスプラッターホラー。ジェス・フランコ作品と言えば濃密なエロとグロの二つに集約されるが、本作ではどちらかと言うとエロスは薄めで、グロの方へ傾倒した内容だった。目に注射針を刺す「ゾンゲリア」みたいな場面を始めとして、手首を斧で切り落とし、頭頂部をドリルで削り、首をハサミで貫き──といった容赦ない責め苦の数々が、徹底したゴア描写によって綴られている。勿論メインの顔面皮膚移植についても抜かりは無く、一度目で切除に失敗して提供者の顔をグチャグチャにしてしまう顛末に唸らずにいられない。ストーリー進行を妨げてまでグロ要素を盛り込んでいるので中盤にストーリーが全く進まなくなったりするが、ジェス・フランコの悪趣味ぶりを堪能するにはうってつけの作品だった。
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