香港人肉竹輪          「評価 C」
麻薬中毒者のカップル、ビリーとジュディの家に、警官たちが強制捜査にやってきた。彼らは早速麻薬を探し始めるが、見つかったのは麻薬ではなく、劇薬でドロドロに溶かされた惨殺体だった。遺体は行方不明になっていたスチュワーデスのサラだということが判明し、ビリーとジュディはたちまち殺人容疑で逮捕された。二人は裁判にかけられるが、決して事件の全容を語ろうとはしなかった。また、その間もビリーを想い続けていたジュディは、受刑者たちに教義を説いていたクリスチャンのアニーに頼み、彼の様子を逐一教えてもらっていた。しかしアニーは面会を重ねるうちにビリーと仲良くなり、遂には結婚することになったのである。それを知ったジュディは嫉妬心に苦しむが、尚もビリーへの愛を捨てられず、おぞましき事件の全貌を打ち明けられずにいたのである…。
「人肉天婦羅」「香港人肉厨房」に続いてリリースされた、アルバトロスの“人肉”シリーズ第四弾。「人肉竹輪」とは名ばかりでチクワを作る場面なんか一切存在しない上、クライマックスの死体を解体する場面は陰惨さに欠け、猟奇描写目当てで観ると到底満足はいかないだろう。しかし脚本はなかなかの出来で、事件が起こるまでの話と監獄・法廷での話とを交互に追っていく構成は作品全体に緊張感を持たせており、ビリーを巡る女達の争いも昼メロチックで見応えがあった。邦題の無理矢理さ加減のせいでだいぶ損しているように感じられる作品だ。
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