人肉天婦羅 「評価 D」
料理店主人ロウの妻であるチュンが、突如として姿をくらませた。また同じ頃にはロウの愛人チェンも失踪しており、事件の予感を察したリー警部たちは2人の捜索を開始した。彼らは聞き込みによってチェンの居所を突き止め、彼女のアパートへ行ってみる。するとチェンは顔に酷い火傷を負っており、またアパートの浴槽には何かを焼いた跡が残っており、明らかに何かがあった様子だった。警察は事の真相を知るためにチェンを捕らえ、彼女とその娘に対して拷問まがいの尋問を開始した…。
カニバリズム描写が皆無であるにもかかわらず、「八仙飯店之人肉饅頭」に併せてこんな邦題にされてしまった猟奇サスペンス。冒頭場面でチェンがバラバラ死体を燃やす様子が映し出されるが、それよりもむしろ彼女を逮捕した警察たちの過酷な拷問の方が強く印象に残る作品だった。本作に登場する警察たちの頭に、「疑わしきは罰せず」なんて言葉は無い。たとえチェンの犯行の確証がとれていなくても、集団で撲りかかり、両手に電流を流し、彼女を徹底的に追い詰めていくのである。しかも彼らの拷問は娘にも及び、顔をつねり、お気に入りのぬいぐるみを取り上げてライターで火をつける。犯人の猟奇性なんか軽く消し飛んでしまうくらいの残虐な尋問が延々と続き、おまけに映画が極めて中途半端なところで終わるものだから一片のカタルシスも湧いてこず、終始重たい気分にさせられ通しだった。
TOP PAGE