エイリアンEX         「評価 C」
ローリングス議員はラスベガスで大統領選の演説をするために、ソルトレーク発の最新型超特急に乗って移動していた。ところが途中、すぐ近くの踏み切りに隕石が落下したために、列車は一時停車する。ラスベガスへの到着を急ぐ議員の一声によって列車の運行は間もなく再開されたが、実は隕石の中には狂暴なエイリアンが潜んでおり、しかもそのエイリアンは密かに超特急へ乗り込んでいたのである。エイリアンは卵を産んでは仲間を増やし続け、乗客たちが気づいた時にはすでに、車内は無数のエイリアンが跋扈する危険地帯と化していた。おまけに機関士が殺されたことで列車は暴走を開始し、乗客たちは更なる危険に晒される羽目に。一方その頃、踏み切り近くで隕石の落下事故を調べていたホールデン巡査はこの異変に気付き、車両内にいる前妻ロージーを救うべく、レスキュー隊のヘリに乗って暴走中の超特急へと向かった…。
「戦火の勇気」や「ヤングガン」、そして最近では某ブートキャンプの愛好者としても名高い俳優、ルー・ダイアモンド・フィリップス主演のTVムービー。この映画に出てくるエイリアンは、黒を基調としたカラーリングや大きく開かれた口といった造形面だけでなく、酸性の毒液を吐きだすところなんかも、本家「エイリアン」からの強い影響を感じずにはいられなかった。しかしまた、本作のエイリアンにはこれらの特徴に加え、目に見えないほどの速さでチョコマカ動き回って相手を撹乱するという性質まで付いていた。これによって本作のエイリアンは本家とは完全に異なったイメージのモンスターとなっており、単なる劣化コピーに留まらない魅力が醸し出されていたのである。
ただこの映画、エイリアンのVFXは丁寧に作られているのに、何故か列車やヘリ関連の映像は非常に御粗末な出来となっている。荒野を走る超特急や、それに迫るヘリの姿なんかはどう見ても模型そのもの。しかもそういった稚拙な映像を、何の羞恥心も無しに場面の合間に何度となく挿入するものだから、映画を観ている間は終始心が和んでしょうがなかった。
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