バスケットケース3 「評価 C」
前作の事件でベリアルとドゥエインの仲違いは決定的なものとなったが、一方でルースの家では御祭りムードが漂っていた。ベリアルとの愛が実を結び、イブが妊娠したのだ。そこでルースたちは出産の準備のため、知り合いの医師ロックウェルの家に滞在することとなった。途中で錯乱したベリアルがロックウェルを半殺しにするなんてトラブルがあったものの、出産は無事終了。12人の元気な子供が誕生し、ベリアルたちは幸せの絶頂にいたのだ。ところがその頃、ロックウェルの家を抜け出ていたドゥエインが警察に捕まってしまった。保安官たちは更にベリアルを捕まえようと、ロックウェルの家に侵入する。そして彼らはベリアルと間違えてイブを射殺し、あまつさえ赤ん坊達を奪い去っていったのである。それを知ったベリアルは嘆き悲しみ、ドゥエインと協力して保安官達への復讐を胸に誓った…。
シャム双生児が辿る数奇な運命を綴った「バスケットケース」シリーズの三作目。前作で大分薄くなっていた悲劇性は今回も輪をかけて薄まっており、単なる奇形児大量出演の悪趣味ホラーと化してしまった。ドゥエインは序盤こそフリークスを遠ざけようと努力するが、イブの死を知ってからはわだかまりを捨ててベリアルの復讐に加担することを決め、気付いた時にはすっかり一作目の関係に戻っている。一方のベリアルは妻子を奪われたことは確かに悲劇なのだが、その復讐方法というのが、フリークスの発明家が開発したパワードスーツに搭乗して保安官を皆殺しにするという荒唐無稽極まりないもの。パワードスーツをガチャガチャ動かしながら保安官を襲うベリアルの姿を見ていると、悲しさよりも笑いが込み上げてきてしょうがなかった。また本作、シーン間の繋がりが不自然な箇所が幾つかあり、そのせいで主人公たちへの感情移入が妨げられている。イブの出産場面やベリアルの鬼のような暴れぶりなど、フリークスたちの活躍は前作以上なのでそれ目当てで観るには問題ないが、一作目の哀愁を期待しているとあまりの軽いノリに失望させられるだろう。
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