エイリアン・フロム・ディープ  「評価 C」
南海の火山島で、大企業が放射性廃棄物の不法投棄を行っている。そんな情報を嗅ぎつけた環境保護家のジェーンとリーは、密かに島に乗り込んで企業の工場へと潜入した。そして廃棄物が火口に投棄されている場面の撮影に成功するが、運悪く工場の監視カメラに見つかってしまい、リーが作業員達に捕らえられてしまった。追っ手から逃げ切ったジェーンは、島で毒蛇の飼育を行っていた男ボブの協力を得、工場に舞い戻ってリーの救出に向かう。しかしその頃、謎の生命体が宇宙より飛来し、島の湖へと落下した。宇宙生命体は物凄いスピードで地底を掘り進みながら、食糧である放射性物質を求めて暴れ回る…。
「地獄の謝肉祭」のアンソニー・M・ドーン監督によるマカロニSF映画。冒頭に放射性廃棄物云々という話が出たので、また「キラー・クロコダイル」などでお馴染みの“放射能の影響で生物が巨大化”パターンかと思いきや、意外にも本作の宇宙生命体は最初から巨大な存在として登場する。生命体はカニのような長いハサミを持ち、通常はハサミを伸ばした蛇のような形態で地底を掘り進む。この状態では地中からハサミを出す程度しか露出が無いのだが、クライマックスでは遂に地上へ這い出し、7m近くはあろう巨大な全身像を露わにしてくれた。真の姿はでかいハリボテといった感じで動きこそ鈍重だったが、チューブと鉄板で構成された宇宙服といい、その中から飛び出す爬虫類系の顔といい、なかなかに素晴らしいデザインをしていた。
でもストーリーの構成が悪く、前半は武装した追っ手から逃げ回るサバイバル・アクション、後半は巨大な宇宙生命体との攻防を描いたSFモンスターと、前半と後半がまるで別物の作品であるかのような印象を受けるのは難点だ。前半にも毒蛇を利用して追っ手を振り払うボブの活躍といった見所があるだけに、一層このチグハグ感は何とかして欲しいように思えた。
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