ボルケーノ in N.Y. 「評価 C」
ニューヨークの地下深くで、水道工事の途中に溶岩が噴出し、作業員が死亡するという事件が発生した。現場主任のマットは地質学者スーザンと協力して事件の原因を調査したところ、ここしばらくの間でニューヨーク地下の火山活動が急に活発になってきたことを突き止めた。実は都市近郊の施設では、地球の核から膨大なエネルギーを取り出そうという実験がテッド博士の手によって行われており、そのための無理な掘削が溶岩の流れを変えていたのである。やがてマグマやガスがニューヨークの至るところから噴き出し、大都市はパニックに陥る。そこでマットは地下トンネルを爆破し、流れてきた溶岩を海に誘導しようとするが…。
「サイレント・ワールド セカンド・アイスエイジ」のロバート・リー監督による災害パニック映画。タイトルからも分かるように「ボルケーノ」の舞台をニューヨークに移したようなシチュエーションだが、噴火の原因を安易な地震とかにはせず、エネルギー獲得のための秘密実験にしているところが特徴だ。でも地球の中心まで穴を掘るなんて大掛かりな実験を、人里離れた場所ではなく、よりによってニューヨークの都心近くで行うというのは流石に無理が感じられる。オリジナリティを出すとしても、もう少し舞台との兼ね合いを考えて欲しかったところだ。
災害描写は低予算なので、ニュース映像からの流用が目立つ。しかし家のドアを開けたらマグマが流れてくる、溶岩の流出で川が沸騰するといった局地的な描写のみならず、マンハッタン全体が火山灰に覆われるというスケール感ある描写もしっかり盛り込んでくれたのは好印象だった。また実験に失敗して顔の右半分が焼け爛れても、執拗にマット達を狙うテッド博士の壮絶な姿も見所として挙げられるだろう。
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