ザ・忍者ミッション KGB攻略作戦 「評価 C」
東西冷戦も真っ只中の頃。KGBの監視下にあったマルコフ教授が、核分裂をコントロールする技術を開発した。これで東側に優位に立たれるのを危惧したCIAは、何とかマルコフを自陣営に引き入れようと、彼の娘であるスウェーデンの歌姫ナディアを保護し、彼に会わせようとする。ところがKGBはなかなかの曲者で、CIAはマルコフの救出はおろか、ナディアの保護にまで失敗してしまったのである。そこでCIAは最後の頼みの綱として、メイソン率いるニンジャ軍団にマルコフとナディアの奪還を依頼した…。
ニンジャ映画史上最高(自称)の、17億円もの製作費を投じて作られたスパイ・アクション。ニンジャ映画の大半がアジアやロスを舞台にしている中、北欧とソ連を舞台にした本作はそれだけでも大変に珍しく感じられる。如何にもスパイ映画らしい両陣営の騙し合いが楽しく描かれている他、毒ガスを吸った男が吐瀉物を撒き散らしながら倒れたり、マシンガンで蜂の巣にされた兵士が全身から血を流しながら崩れ落ちたりと、戦闘シーンでは頻繁にバイオレンスなカットが出てきて度肝を抜いてくれるのだ。でもこの映画、ニンジャが登場する意味が全く感じられないのは悲しかった。本作のニンジャたちは「戦場のニンジャ軍団」同様、銃や手榴弾といった近代兵器で武装しており、刀を持っていても一向に使おうとはしてくれない。唯一ニンジャらしさを発揮していたのはメイソンが手裏剣を投げるカットぐらいのもので、ニンジャ映画の荒唐無稽さを期待していると確実に泣きを見るだろう。
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