インパクト 「評価 D」
宇宙空間にて、二隻の宇宙船が衝突事故を起こした。船は両方とも大破したものの、片方の船からはオレンジ色の結晶体が入ったポッドが射出され、やがて地球のバミューダ海域へと落下した。それから五年後、バミューダの海底に建てられているオショナ深海研究所の周りでは、急速な勢いでサメが増加していた。サメたちはまた異常なまでに攻撃的でもあり、ある日研究所のダイバーたちを食い殺した上に、酸素供給管までも噛み切ってしまったのだ。そのことを知ったマイク博士は研究所にいる妻リンダを救出するべく、潜水艦ルーズベルトに乗ってバミューダ海域に向けて出発した。一方その頃、サメを捕らえた海洋生物研究所がサメを解剖したところ、体内からオレンジ色の結晶体が発見された。サメたちが数を増やしていたのも狂暴になっていたのも、全てこの結晶体の作用によるものだったのである…。
「シャークアタック」三部作を制作したNU IMAGEによる深海パニック映画。冒頭と終盤の部分だけを見る限り、おそらく制作側は「アビス」や「スフィア」みたいな感じの深海SFモノを作ろうとしたんだろうと推測される。ところが本作、その間を埋める部分として存在しているのが、無数のサメによる血みどろのパニックシーンであり、研究所内での肉弾戦であり、まあ要するにいつものNU IMAGEの映画と同じなものだから、逆に冒頭と終盤の方がミスマッチに感じられ、恰も「宇宙からのツタンカーメン」を見ているかのような、何とも珍妙な感覚に陥ってしまうのである。しかもこの映画、中盤部分の出来もさして良いとは言えないから辛い。深海の研究所での密室劇を本筋に据えているのに、海面近くでダイバーがサメに食われる場面や、海岸でサーファーたちがサメに襲われる場面と、研究所から遠く離れた場所での殺戮場面を見せられても、本筋の緊張感を削ぐばかりで一向に盛り上げるには至らなかったのだ。
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