スペース・リザード3001 宇宙の極道蜥蜴(別題:オブリビオン)「評価 B」
遠い宇宙の何処かの惑星。放浪の旅をしていた青年ザックのもとに、父親のストーン保安官が死んだとの報せが入ってきた。なんでも故郷の村オブリビオンにトカゲ人間“レッドアイ”率いる荒くれ者集団がやってきて、町の支配に邪魔な父を抹殺したというのだ。そこでザックは村へ帰還して父の葬式に出たものの、他人の痛みに過剰に反応してしまう体質のために、レッドアイたちへの復讐の意志を固めることができずにいた。しかし知り合いの原住民ブテオが彼らに捕まったと知り、ザックはいよいよ戦う覚悟を決める…。
チャールズ・バンド製作総指揮による、荒野の辺境惑星を舞台にしたSFウエスタン。邦題になっている極道蜥蜴レッドアイは全身を鱗に覆われた外見で、切断された腕が徐々に再生していくなんてトカゲらしい見せ場が用意されているのが嬉しい。彼の他にもクリーチャーは多数登場し、シャム双生児にサイボーグ女に二又の尾を持つ巨大サソリと、どれも個性豊かなキャラクター性を発揮していた。
その一方でストーリーは真っ当なウエスタン路線を貫いており、ややもすれば両者の間でミスマッチを起こしそうなところだ。しかし本作はその辺のバランス調整がしっかりしており、原住民をまんまネイティブアメリカンな外見にする、過度にSFチックな超兵器を出さないなどの計らいによって、何でもアリな世界観でありながら西部劇の雰囲気がそれほど損なわれてはいなかったのである。明朗な娯楽活劇として安心して楽しめる作品だった。
TOP PAGE