妖女ゴーゴン        「評価 B」
古城の近くにあるバンドルフ村で、ある娘が全身を石にされて殺された。またすぐ近くでは彼女をモデルに絵を描いていた画家ブルノが首を吊って死んでおり、村人達はブルノがモデルを殺した後に自殺したのだろうと判断した。しかしそれに納得いかないのはブルノの父のハイツ教授。彼は亡き息子の名誉を回復せんと、もう一人の息子ポールと共に村を訪れ、事件の真相を探ろうとした。ところがある日、古城の調査を行っていたハイツ教授は、ゴーゴン三姉妹の一人・メゲーラに遭遇して全身を石に変えられてしまった。この城には数千年もの昔からゴーゴンが住み着いており、村人達はその事実を必死になって隠し続けていたのである。残されたポールは、父の友人であるマイスター教授と協力し、改めて真相究明を再開した。そしてその傍ら、ポールは村の看護婦カルラと仲良くなるが、捜査を進めていくうちにカルラこそがメゲーラの変身した姿だったことが明らかになる…。
テレンス・フィッシャー監督にクリストファー・リー&ピーター・カッシングと、ハマー・プロの「吸血鬼ドラキュラ」トリオによる怪奇映画。怪しげな村人たち、精神病の患者が頻繁に飛び出してくる病院施設、無人の古城──と恐怖映画の定番要素をてんこ盛りにしたような内容で、謎解きの過程も結構楽しませてくれる作品だ。ゴーゴンは頭のヘビが細かく動くギミックも然ることながら、無表情で暗闇の奥からぬーっと姿を現すところや、古城の池を覗いたらゴーゴンの顔が浮かび上がるところなど、手馴れた演出も相俟ってかなりの恐怖感を味わわせてくれた。ただ残念なのは、最後の決着の付け方が呆気ない点だ。「タイタンの戦い」のメデューサ戦のような息詰まる攻防を期待しているとガックリきてしまうだろう。
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