忍者vs阿羅漢 遥かなる王道   「評価 B」
清朝時代の中国。大陸の一部を領有していた日本は、少林寺分院が所有する広大な土地を手に入れようと画策していた。しかし分院の住職である智円法師は人徳に優れ、そう簡単には懐柔できなかったのだ。日本で名の知れた志道国師を送り込んで対談させても逆に国師が智円法師に頭を下げる始末で、一向に計画は進まない。そこで代官の笠川は一計を案じ、配下の忍者たちに少林寺の服を着せ、志道国師を暗殺させた。そしてその罪を少林寺に擦り付けることで、強制的に少林寺を手中に収めようとしたのだ。ところが国師の弟子と名乗る男・中島十兵衛が現れ、独自に事件の捜査を始めた。しかも彼は日本のカンフー使いたちを率いて少林寺の連中に決闘を申し込み、事態は思わぬ方向に発展していく…。
「少林寺vs忍者」「激突! 少林拳対忍者」などと同じく、カンフー使いと忍者との戦いを扱った香港映画。日本の社会描写のテキトーさ加減が著しく、大陸の一部を支配しているので明治時代以降の話かと思ったら、日本軍の兵士は裃を纏ったサムライや黒装束のニンジャたちで、しかも本部では代官や殿が偉そうにしている。なのに日本の政治の実権を握っているのは天皇だという描写があり、いったいどの時代の話なのか皆目見当もつかないのだ。
だがその点にさえ目を瞑れば、本作はカンフー映画として非常に良質である。カンフーアクションに切れ味があり、ストーリー展開も結構練ってあって楽しめる。またニンジャの戦闘方法も極めて現実に忠実で、派手さこそ無いが安心して見ていられた。ただ欲を言うならば、タイトルになっているカンフー使いとニンジャとの対決をもう少しじっくり描いて欲しかった。映画の後半、日中のカンフー使い同士の対決に大きく時間を割かれていたので、その後に控えていたニンジャとカンフー使いとの戦いがバタバタと終わってしまった感じがしたのだ。
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