ヘル・ファイヤー 「評価 D」
大西洋上の油田基地付近に、巨大な隕石が落下した。その隕石を詳しく調べたところ、どうやら内部には何匹かの未知なる生命体がいるらしい。そこで米国政府は油田基地を拠点として隕石を回収し、生命体のうちの一匹をワシントンの研究施設まで輸送する計画を立てた。ところがこの生命体、他人に幻覚を見せては触手で攻撃してくる凶悪な奴で、輸送していた船は生命体が暴れたことで爆発し、他の生命体を保管していた油田基地においてもまた、殆どのスタッフが命を落としてしまったのである。それでも諦めきれない政府は、船乗りのグリフィンたちを物資輸送の名目で油田基地に派遣し、生命体の回収にあたらせようとした…。
コーマン門下のジム・ウィノースキー監督によるモンスターパニック映画。本作に登場する生命体は黒い核から無数の触手を生やした形状で、同監督のモンスター「ジェラティノス」を彷彿とさせる。しかしVFXが「コモド リターンズ」レベルなので触手を使った攻撃はまるで迫力に欠けており、製作側もそのことを気にしてか、生命体が襲撃してくる際には触手はあくまでトドメ用で、代わりに相手の警戒を解くための幻覚攻撃に時間が割かれていた。生命体が見せる幻覚は美女の裸踊りや家族の死亡現場など様々なバリエーションに富んでいるが、幻覚に陥った人間が殺されるまでの展開がワンパターンすぎるので次第に単調に感じられてしまうのが難点。そして生命体を退治する方法も杜撰極まりないのでクライマックスが全然盛り上がらず、モンスター映画としてはあまり評価できない作品だった。
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