緯度0大作戦 「評価 A」
東経180緯度0の海域で調査を行っていた潜水艇が、海底火山の噴火に巻き込まれた。田代ら潜水艇のクルーは衝撃で気を失ってしまうが、目を覚ますと見知らぬ高性能潜水艦の中いた。この付近の海底1万メートルには地上を去った科学者達によるユートピア「緯度0」が存在し、田代たちはそこの住民であるアルファ号艦長・マッケンジーに救助されていたのだ。その後マッケンジーに連れられて緯度0に来た彼らは、その超文明社会で楽しい一時を過ごしていた。だがそんな折、もうじき緯度0に来る予定だった岡田博士親子が、悪の科学者マリク博士に誘拐されたとの報せが入ってきた。すぐさまマッケンジーは田代らと共にアルファ号に乗り込み、マリク博士が城を構えるブラッドロック島へと出発した…。
アメリカのラジオドラマを原作とする、日米合作のSFアドベンチャー映画。潜水艦がメインの海洋冒険モノではあるが、中盤は巨大な海底都市である緯度0が、後半はブラッドロック島が話の舞台となり、場面ごとの変化を持たせて飽きさせない作りになっている。もちろん潜水艦のメカ描写もおざなりにされてはおらず、アルファ号とマリク博士の黒鮫号とが激突する場面は、分身や飛行といった撹乱技を得意とするアルファ号と、誘導ミサイルやレーザーなどの充実した武装を搭載した黒鮫号との対比が存分に活かされていて見所があった。またブラッドロック島へ出発する際、田代たちが特殊な液体に浸かって銃弾を浴びても平気な肉体になったり、炎やガスやレーザーを発射できるハイテク手袋を装備したりするところなんかは、いかにも一昔前のSF活劇といった風情で嬉しくなってくる。
そしてSF兵器以外の見所としては、マリク博士が作り出した奇怪なモンスターたちがある。目が不気味に光る巨大ネズミに、顔がオヤジ臭いコウモリ人間、そして人間の脳を移植したグリフォンと、それぞれ味わい深いデザインをしていて作品を盛り上げるのだ。けれども巨大ネズミたちが自分のテリトリーの毒の沼に勝手に落ちて死んでしまったり、コウモリ人間が生身の人間に殴り殺されるぐらいに弱かったりと、あまり目ざましい活躍を見せてくれなかったのは残念だった。
(余談だが本作のコウモリ人間は、後年「行け!ゴッドマン」にも登場してゴッドマンにボコボコにされていた)
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