どきどきバンパイア・ガールズ   「評価 D」
ケンは極度のホラーマニア。毎日のように部屋に籠もり、TVのホラー番組を食い入るように観賞していた。ところがある晩、彼の同居人二人が、パーティー会場で知り合った三人の美女を家に連れてきたのである。ケンは初めは彼女達の来訪を迷惑がっていたものの、やがてその中のエリーサという女性と意気投合。果てにはベッドインし、お互いの絆を深め合うまでになっていたのだ。しかし彼女たち、実はトランシルバニアよりやってきた女吸血鬼だったのである。本性を表した彼女らに、同居人たちは敢え無く噛み殺されていく。事態を察したケンは有り合わせのホラーグッズを掻き集め、何とか彼女らに立ち向かおうとするが…。
「バンパイア・ナーイツ♪」なんてテーマ曲で始まる、大陸書房の1980円ビデオシリーズの一本であるホラーコメディ。作中で頻繁に挿入される吸血鬼関連のネタが楽しく、「トランシルバニアでは血の吸い方を体育の授業で習う」とか、「吸血鬼に噛まれるのを防止するために首に矯正器具を巻きつける」とか、「ホラー番組のホストが本物の吸血鬼と対峙する」とか(これは「フライトナイト」っぽい展開だ)、制作者の吸血鬼モノへの愛を感じさせてくれる作品だ(でも吸血鬼たちが鏡に映っているカットがあるのは残念)。主人公のケンがまた常軌を逸したホラーマニアぶりで、仲間を殺されたことより、殺したのが吸血鬼だというのに歓喜するような性格だったのも、作品のムードを重いものにしない点で効果をあげていた。
しかしギャグで作品を引っ張るには力不足の感が否めず、途中から同じギャグをしつこい位に何度も繰り返すようになり、観る側としてもウンザリしてしまう。後半の戦闘シーンも家の中をウロウロしているだけで緊張感の欠片もなく、ラストまで観続けるにはかなりの忍耐を必要とした。
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