ストレンジ・インベーダーズ 「評価 C」
ニューヨークで暮らす大学教授チャーリーのもとに、離婚した妻が訪問してきた。何でもイリノイ州で暮らす彼女の母親が亡くなったらしく、その葬式や何やらで忙しくなるので、少しの間だけ娘のエリザベスを預かって欲しいというのだ。その申し出を受け入れるチャーリーだったが、いつまで経っても妻は娘を迎えに来ない。不審に思ったチャーリーは、義母の家があるという田舎町センタービルへと赴いてみることにした。しかし幾ら街中を探しても、妻はおろか、義母の家すらも見つからない。おまけに町の住民たちは怪しい匂いを漂わせており、警戒心を強めるチャーリー。そして町に夜が訪れた時、彼のもとに怪光線を放つ宇宙人が襲いかかってきた。実はこの町は、地球人に扮していたエイリアンたちの溜まり場だったのである…。
冷戦真っ只中の1950年代、「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」「惑星アドベンチャー スペース・モンスター襲来!」など、共産主義者を宇宙人に置き換えたような侵略SF映画が量産されていたことがあった。83年製作の本作はその頃の作品を再現したような内容で、田舎町に巣食うエイリアンたちと彼らの正体に気付いた人々との水面下の戦いがミステリアスな雰囲気で綴られる。ところがこの映画、中盤までは当時のムードを上手く再現していたのだが、クライマックス以降の展開が明らかに70〜80年代の感覚で作られていて、その両者が上手く噛み合っていなかったのである。それまで宇宙人の恐怖をつらつらと描いていたのに、突然「未知との遭遇」っぽい電飾を纏った葉巻型UFOが現れ、壮大な音楽と共にエンディングを迎える。そんなギャップに驚愕を禁じえない作品だった。
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