キンドレッド 「評価 B」
遺伝子研究所で働く科学者ジョンの母、アマンダが他界した。彼女もまた遺伝子の研究に携わっていたのだが、死の間際に「アンソニーについての研究記録を破棄しなさい」と謎の言葉を遺していた。そこでジョンは同僚たちと共に彼女の研究施設に向かい、その記録を探そうとした。ところが施設は至る所が損壊し、異臭が立ち込め、明らかに只事ではない様子。実は施設の地下には、アマンダの研究によって誕生した醜悪なバイオモンスターたちが何匹も巣食っていたのである…。
「宇宙からの侵略者」のジェフリー・オブロウ監督の代表作であるバイオホラー。本作のモンスターは胎児の背中にタコの足を何本も生やしたような姿をしており、そのグロテスクな造形も然ることながら、大中小と様々なサイズが出てきてビジュアル的にも変化に富んでいたのも嬉しかった。更に触手のスムーズな動き、切断面からホースの如く噴き出すヌルヌルの体液、全身が崩壊したら人間の形を現すところといい、様々な点で造形面での拘りを感じさせる奴だった。怪物のデザインの他に特殊メイクの出来も秀逸で、実験の失敗によって生み出されたフリークスたちや、鼻の穴に突っ込まれた触手が皮膚の下を通っていく様、遺伝子の変質した女性がエラ人間になって窒息死する姿などが、全て気合いの入ったメイクによって十分な見所と成り得ていたのである。
ただこの映画、造形の素晴らしさに演出が追いついていないのが惜しまれる。全体的に演出が妙に間延びした感じで、怪物が出現する時もクライマックスの決戦も今一つ緊迫感に欠けていたのだ。
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