まんちい            「評価 D」
両親の離婚で田舎町に引っ越してきたゲイジは、悲惨な日々を過ごしていた。小学校では同級生や教師から苛められ、家では母親が嫌味な男とイチャイチャして、ゲイジに見向きもしない。そんなある日、ゲイジは寂しさのあまり近所の廃坑を訪れた。すると暗闇の奥に、怪しく光る箱があるではないか。彼が箱を開けてみたところ、中から「まんちい」という小さな怪物が飛び出してきたのである。まんちいは封印を解いてくれたお礼として、多彩な魔法を使ってゲイジを幸せにしようとするが…。
ロジャー・コーマンが「グレムリン」に便乗して製作したミニモンスター映画、「まんちぃず」の続編。しかし本作に登場するまんちいは、目が大きくなって体格も大きくなり、前作のそれとは似ても似つかないデザインにされていた。また分裂能力が無くなった代わりに魔法を使い、ユーモアに富んだ発言をするなど、そのコンセプトも別物と言っていい。そしてジャンルも子供向けのコメディとなっていて、ここまで来ると完全に違う映画であり、「トロル」「トロル2」並にシリーズ物にする意義を疑いたくなった。
しかもその変更が、映画にとってまるでプラスに働いていないのが辛かった。何より脚本が酷く、ギャグのレベルが低いのはいいとしても、ゲイジとまんちいの訣別と和解の過程がいくら何でも乱暴すぎる。近所に住むマッドサイエンティストなんておいしい脇役が殆どストーリーに活かされておらず、終始単なる傍観者止まりなのも残念なところ。更にクライマックスは「E.T.」モドキで、ラストも取って付けた感が漂って何の感慨も湧いてこない。これならばモンスターパニックとして多少の工夫が見られた「まんちぃず」の方が、まだ観ていて楽しむことができた。
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