食人村 カンニバル       「評価 A」
山の中にひっそりと存在する風光明媚な村、ボルゴ・サン・ロレンツォ。ジョージたち友人グループはキャンプをしようとその村に向かうが、いざ到着してみると人間の気配がまるで感じられなかった。そこで詳しく村の中を歩き回ってみたところ、村の至るところに住民たちの腐乱死体が転がっているではないか。村人たちは一人の喰人鬼の手によって、無残にも虐殺されていたのだ…。
「VIOLENT SHIT」シリーズのアンドレアス・シュナッス監督によるカニバリズム映画。シュナッス監督お得意の惨憺たるゴア描写は尚も健在で、特に本作では殺害シーンのねちっこさが一層強調されていて、喰人鬼による様々なコンボ技を拝むことができた。砂浜で彼氏とイチャついていた水着ギャルに対しては「尻に斧を振り下ろす→背中をメッタ切り→指を切断→顔の皮を剥ぎ取る→顔面にトドメの一撃」なんて連続攻撃。キャンプに来ているオッサンに対しては「湖に顔を押し付ける→潅木に額を叩きつける→石を持って顔面をボコボコに→素手で腹を裂いて内臓掴み出し」。そのオッサンの相方に対しては「怪力で片腕をねじ切る→口の中に手を入れて内臓を掴み出し」。絶えず嘔吐を繰り返す妊婦に対しては「石包丁で帝王切開→摘出した胎児を丸かじり」。そういった多段攻撃以外にも喰人鬼の鬼畜非道な手口は多数取り揃えられており、槍で喉を貫通、尻から杭を刺して「食人族」ゴッコ、顎を掴んで首をもぎ取り──と、どれも目を覆わんばかりの惨たらしさだ。しかも喰人鬼は人肉を食べることで体力を回復させるものだから、ピンチになったら自分の内臓を掴み出し、それを齧ることで傷を癒してしまう。そんな豪快すぎる暴れ様は、ストーリーの緩慢さも特殊メイクの不出来もさして気にならなくなるほどだった。これ以上ないくらいに異常で無慈悲な、シュナッス監督の本領を窺える快作だ。
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