ギガンテス 「評価 C」
ドナウ川南方で、米軍が輸送していた重要貨物。その正体はワクチン製造のためにサソリを基にして生み出された、新種の巨大生物だった。そうとは知らずに貨物を強奪したロシアン・マフィアは、港湾部の廃工場で巨大生物たちを解放してしまう。たちまち彼らは巨大生物の鋭い棘の餌食となり、その後廃工場は巨大生物の根城と化した。そこで軍の上層部はレイノルズ少佐率いるデルタフォースを現地に派遣し、巨大生物群の捕獲をさせようとするが…。
米軍の輸送部隊を犯罪組織が襲撃。その積荷を港湾地帯で開いたら中から怪物が登場。怪物を捕獲するために軍が派遣され、最後は貨物船の中での対決──と、「ジュラシックウォーズ」をコーマン自身がリメイクしたと言っても差し支えない内容のモンスター・パニック映画。本作に登場する巨大生物はサソリをベースにしていながらも、チタンの外骨格を与えられているという設定のためか、その外見は非常に機械チックな印象を受ける。CGで描写される容姿は上質とまではいかないが及第点の出来で、また毒を注入した人間をゾンビに変えてしまうなんてB級魂に溢れた特性も兼ね備えており、如何にもB級映画のツボを知り尽くしているコーマン御大らしいモンスターだった。
ただ戦闘シーンの方はというと、怪物の設定をいまいち活かしきれていないのが引っ掛かり、「ジュラシックウォーズ」に比べると幾分か物足りなさを覚えた。上層部と対立する場面に時間を割くぐらいだったら、もっと怪物の魅力を引き出すことに心を砕いて欲しかったところだ。
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