ザ・ケイヴ 「評価 D」
洞窟、それは地上とは隔絶された未知なる世界。その魅力の虜となったギャノンたち一行は、カザフスタンの砂漠地帯にある未開の洞窟へと探検に出かけることにした。ところが内部へと潜入するなり、仲間たちが相次いで何者かの手によって惨殺された。しかも通ってきた道を岩で塞がれてしまい、彼らは別の道を探して洞窟から抜け出すしか無くなったのである。ライトの電池の残量も少なくなる中、僅かな風を頼りに暗闇の中を進むギャノンたち。やがてそんな彼らの前に、人肉を喰らうおぞましき地底人が姿を現した…。
洞窟に入った探検隊が地底人の魔の手から逃げ回る、実に明快な「地獄の変異」モドキ映画。しかし本作の場合、場面の殆どがセット撮影なために洞窟内の風景がまともに映ることが滅多に無く、登場人物のバストショットばかりで構図の変化に乏しい。おまけにそれを誤魔化すために画面を何秒間か真っ暗にしたりカメラを意図的にブレさせたりと言った「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」的な映像が延々と続くものだから、洞窟探検の面白さをこれっぽっちも感じさせてはくれなかったのだ。
また登場人物たちが織り成す会話も、映画開始時点で既に死んでいる仲間についての話題がつらつらと続くだけで、しかも死の真相には何の意外性も用意されておらず、観ている側としてはどうしても退屈を覚えてしまう。ラストのいい加減さ具合も「地獄の変異」を遥かに凌いでおり、正直言って殺された登場人物のグロテスクなメイクぐらいしか見所のない作品だった。
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