仁義なきニンジャ 香港代理戦争  「評価 C」
パトリックとジョーンは、香港の裏社会を牛耳る犯罪組織の殺し屋として長い間仕事を続けてきた。二人は結婚を機に血生臭い仕事から足を洗い、平穏な暮らしに戻ろうとしたものの、組織の連中はそれを許そうとはしなかった。彼らは二人が握る機密書類を狙って、二人に刺客を差し向けてきたのだ。相次ぐ刺客の襲撃を辛くも撃退する二人だったが、その後も組織にいた頃の殺しの罪を問われてパトリックが刑務所に入れられたり、息子ジミーを組織に誘拐されたりと、二人の災難は止まることはなかった。そしてジミーを救出に向かったパトリックが殺され、ジミーも死体として発見された時、ジョーンの怒りは心頭に発したのである。彼女は日本刀を手に、組織へのたった一人の反逆を開始した。またその頃、同じく組織によって同胞たちを殺されていたホワイト・ニンジャも、密かに修行を積んで復讐の機会を探っていた…。
元殺し屋のスーパーウーマンの復讐劇に無理矢理ニンジャを登場させたような、実に怪しい匂いを感じさせるニンジャ映画だ。ジョーンとホワイト・ニンジャの二人を主人公にした構成となっているが、フィルマーク製のニンジャ映画のお約束で二人が一緒に画面に映ることは一切無く、二本の別々の映画を観ているような気分にさせられる。しかも本作ではニンジャの登場場面が極端に少なく、冒頭のホワイト・ニンジャと黒忍者たちの乱闘シーンの他には、犯罪組織の幹部が黄色ニンジャに扮してKGBの連中を皆殺しにする場面と、クライマックスでホワイト・ニンジャと黄色ニンジャが決闘する場面がある程度。それ以外の時間は全てジョーンの復讐劇に費やされており、またクライマックスの対決もニンジャ映画にしては地味な出来で、ニンジャの活躍を期待しているととんだ肩透かしを食らうことだろう。ただ一方のジョーンの復讐劇はというと、スローや多重露光を多用した奇抜な演出が冴え渡っていて結構楽しませてくれる。指の間にナイフを刺していく度胸試しやサイコロ振りのギャンブルが唐突に挿入される大味さ加減も、「地獄のニンジャソルジャー」を彷彿とさせて悪くなかった(ちなみにジョーンを演じているのは「地獄のニンジャソルジャー」の狂った蜜蜂と同じ人です)。
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