ゾンビパパ         「評価 D」
海岸沿いの田舎町。双子の姉弟ベスとマイケルは、生まれつき不思議な力を持っていた。自らの念力を使うことで、遠くにあるものを自在に操作することができたのだ。しかし父ニコラスからの指示により、姉弟はその力を人前で使うことは無かった。そんなある日のこと、町に暴走族たちがやってきた。彼らはニコラスの家の風呂を勝手に使い、ニコラスと一悶着を起こした挙句、ニコラスを無残にも殺してしまったのである。突然父に死なれてしまった姉弟。二人は持ち前の超能力で死体を動かし、恰も父親が生きているように見せかけることに成功したものの、死体は制御が難しいのか、父親ゾンビは来客の心臓を麻痺させてしまったり浜辺のカップルを窒息死させたりと相次いでトラブルを引き起こした。トラブルの後始末に追われた姉弟は、父親を土の中に埋め、二度と動かさないようにする。だがそんな中、町に再び暴走族たちがやってきた…。
「どんな時にでも力は使うな」といった字幕が出る時、決まって「力」の文字だけ赤くなっているところに昔のビデオの雰囲気を感じさせるホラー・コメディ。邦題になっているゾンビパパは、ゾンビというよりも超能力で操作されているだけの単なる死体で、姉弟に落書きされたままの顔で町をウロウロする様が微笑ましかった。地面を掘り進み、地中から手を伸ばしてカップルを襲うという「ブラッド・ビーチ」みたいな活躍を見せてくれたのも嬉しいところ。
しかし演出が終始淡々としていたため、ゾンビパパが起こす騒動の数々がまるで楽しく感じられず、クライマックスの対決もさっぱり盛り上がらなかったのは困った。展開も冗漫でユーモアに乏しく、観ていてどうしても退屈を覚えてしまったのだ。
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